夫婦どちらかが認知症で老人ホームに入居。2人部屋と個室のどちらがいいの?
こんにちは。医療ライターの横井です。
老人ホームの施設長さんに取材した時に、「おもしろいな~」と感じた話がありました。
老人ホームは個室が多いですが、夫婦で入居できるように、2人部屋を設けているところもあります。
ご夫婦で入居する場合は、2人部屋を選択したりするわけですが、その施設長さんは、どちらか片方が認知症などの場合、別々の部屋をお勧めするそうです。
別々といってもとなり同士だったり、同じフロアだったり、身近で過ごせるように配慮しつつ、「部屋自体は別にすることをお勧めしています」とのこと。
なぜかというと、多くの場合、ホームに入居するのは、高齢になって、
身の回りのことが不自由になって来たから。
心身共に、安心して過ごすために入居したにもかかわらず、認知症の配偶者と同じ部屋だと、
夜間の配偶者の行動が気になって、十分な休息を取れなくなってしまうことがあるのだとか。
そう、理由を伝えて、別々の部屋をお勧めすると、すぐに
「じゃあ、別々にします!」
というのは、だいたい奥様のほう。
一方で、
「それでもやっぱり、同じ部屋がいいです」
というのは、ご主人様が多いのだとか。
なるほどな~、と妙にうなずいてしまいました。
認知症になっても妻と一緒にいたいと思う夫。
夜はぐっすり寝たいので、部屋は別々でもオッケーという妻。
男女の差をあらわす一面のような気がして、興味深く施設長さんの話を聞かせていただきました。
ちなみに私自身、遠方に住む認知症の母がいて、父がケアをしています。
現役時代、亭主関白だった父がかいがいしく母の世話を焼く様子を思い出しつつ、
ますます施設長さんの話に納得してしまったのでした。
読んでいただき、ありがとうございました。